見た目
今回のブログを担当させていただく、荒井萌です。
今回はバレエのことをお話ししたいと思います。
バレエに多い怪我のほとんどは、「間違った使い方」が原因のことが多いです。
バレエのテクニックのやり方を間違えていたり...
身体の構造を理解していない先生が間違った教え方をしてしまったり...
最近では、バレエの先生方も身体のことを勉強し、理解した上で教えを行なったり、ダンサーや生徒自身が身体のことに興味を持つようになったり少しづつ変わっては来ていますが。
この間、こんなことがありました。
トウ・シューズを履いた中学生の女の子がトウ・シューズを履いてすぐにマツヤニを付けていました。
(マツヤニとは、床が滑る時に滑り止めとして使うものです。)
その彼女は、毎回トウ・シューズを履く際は、マツヤニを付けていました。
そして、彼女は少し前から股関節が痛いと言っていたのです。
股関節が痛い。と言っても普段は痛みがなく、バレエの時だけ痛む。
それも、常に痛いのではない。
なので、特に病院にも行っていないと。
本人は最近、背も伸びて来たし成長痛かな?と思っていた。と言っていました。
床が滑る時に用いるマツヤニは、特にトウ・シューズを履いた時に使う人が多いと思います。
トウ・シューズを履く時は、バレエシューズを履く時より滑りやすくなるからです。
彼女も滑りやすくなるからマツヤニを毎回使っていました。
そして、彼女はこう思っていたんです。
床が滑るから上手く脚が開かない。のだと。
彼女は床が滑るからたくさんマツヤニを付け、そして
無理矢理脚を開いてポジションを作っていたのです。
見た目はきちんと開いたポジションになっています。
例えば、5番ポジションだったら。
見た目は脚も開いていて、きちんと重なっている綺麗な5番ポジション。
でも、実際はそれをマツヤニの力を使って、無理矢理開いて作られた偽装の5番ポジションだったのです。
本人は、見た目はきちんと綺麗な5番ポジションになっているからなんの問題もない。と思っていました。
が、これって正しいですか?
正しいわけないですよね。
たまに行うのが靴下と床に寝っ転がってのレッスンです。
靴下を履いたままだとツルツルしてやりづらいですよね。
あえて、ツルツルの状態でいかに、自分が他の物に頼ってるのかを自覚してもらうためです。
床に寝っ転がって行うのも同じ。
床に寝っ転がって、前と横は仰向けで、後ろはうつ伏せになって、骨盤がまっすぐのままちゃんと脚を出せているか?身体が反っていないか?ちゃんと脚を股関節から開いているか?などを確認しています。
いかに、自分がバーや床に頼っているかを知ってもらうためです。
バレエのほとんどの怪我の原因は、「身体の間違った使い方」と言いましたが、
きちんとした正しい使い方が出来ていない時と、他の物に頼って見た目だけ正しく、本当は正しい使い方をしていない時とあります。
バレエは、とても「見た目」を重要視されます。
どうしても正しい使い方より、「綺麗な見た目」に目が行ってしまうが多いため、見た目は良くても「間違った使い方」をしている
「隠れた原因」があることがあります。
大切なのはそこに気付くこと。
重要なのは、綺麗な見た目。でも、この前に「正しい使い方で」が入っていることを忘れないでくださいね!
「正しい使い方で、綺麗な見た目」