バレエの捻挫について②
今回のブログを担当させていただく、荒井萌です。
早いものでもう10月です。私がエコルスタ整骨院で働かせていただくようになってから半年が経ちました。
まだまだ不慣れなところはありますが、これからも宜しくお願い致します。
さて、前回はバレエダンザーに多い足首の捻挫についてお話ししましたが、
では、実際に足首を捻ってしまった時はどうすればいいのでしょうか?
例えば......
「2週間後に初めてのコンクール。レッスンは週5。踊るのはドンキの3幕のバリエーション。今日はレッスン後にコンクールの練習もあります。
レッスン中、センターのプチアレグロで着地に失敗し、足首をグキッ!」
これ、よく見られる光景ですね。
コンクールや発表会前の練習の怪我でよく見られるのは、リハや通し中よりその前のレッスンやアップで見られる事が多い気がします。
もちろん、リハや通しでも怪我をするのですが、どちらかと言うと集中力が欠けている時に多く見られます。
バレエダンザーの怪我の65%は、集中力が欠けている時に起きる。とも言われています。
この時もそう。プチアレグロだからって、油断してたのかな?きちんと身体は引き上がってたのかな?ちゃんとつま先に力入ってたのかな?
集中力が欠ける。これだけで怪我のリスクが格段に上がります。
「あー!足首がグキッってなった!どうしよう?そうだ!まずは伸ばしてみよう!今度は荷重をかけてみよう。よし。なんとか大丈夫。このまま続けよう。」
レッスン後、「あれ?腫れてきてる?でも、時間ないし、湿布しとけば明日にはきっと治ってる。」
次の日、「うん。昨日より少し痛みも引いてる!けれど、足首が腫れてるし、青あざのようなものがある...。でも、時間ないし、レッスンは休みたくない。よし!湿布したままレッスンするば、大丈夫だわ!」
はい!これ、心当たりある人もいらっしゃるのではないでしょうか?
でも、色々ダメです!!
というのは。
まずは、「動かしても、荷重をかけても大丈夫だから続けよう」です。
前回のブログでも言いましたが、自分で勝手に判断してはいけません。
「踊れるから大丈夫。」ではありません。
まずは、専門家に診てもらいましょう!
ただ、その前に出来ることはあります。それは、RICE処置です。聞いたことある方もいるのでは?
RICE処置とは、安静、アイシング、圧迫、挙上。の4つになります。
まずは、レッスンを中断し、アイシングをしましょう。
汗で身体が冷えないように注意してくださいね。
「よし!アイシングしたし、オッケー!時間もないし、このままコンクールの練習を続けよーう!」
では、ありません。自分で判断するのは危険です。なんせ、捻ってるんですから。
そして、「湿布しとけば大丈夫。」本当に?まだ腫れているんですよね?青あざがあるんですよね?
捻挫の度合いにもよりますが、そのまま続けても大丈夫なのか、時間がないからと休まないと言う選択が正しいのか、自分で決めてしまないでくださいね。
時間がないからと、病院に行っても休めと言われるだけだからと、そのままにしてしまうと、不安を抱えたまま舞台に立つことになります。
どんなに「踊れるから大丈夫」と思っていても、不安があれば、メンタル面的にもプラスにならないですよね。
怪我ときちんと向き合うのも大切です。
ちゃんと相談してくださいね。
そして、もう1つ大事なのが、教える側の対応です。
「これぐらいなら大丈夫よ。コンクールまで時間ないし、踊れるのなら続けるわよ。」
「湿布で冷やせば、捻挫ぐらいすぐに治るわよ」
先生方の中にも捻挫をしたことがあり、病院に行っても休めと言われるだけ。と言う経験をした方はいると思います。
そういった経験があると、どうしても「捻挫ぐらい大丈夫」という結論になりやすいです。
しかし、生徒さんが怪我をした時の対応で、生徒さんの将来に関わることもあります。
まずは、アイシング出来るものを用意しておくこと。そして、先生自身が判断してしまわずに、きちんと専門家に診てもらうことを生徒さんに勧めることをしてください。
生徒さんだけでなく、教える側も自分で判断しないことが大切です。
「これぐらい大丈夫。」は危険ですよ。
そして、その生徒さんがどうして怪我をしたのか。その原因を知り、きちんと治してあげることも大切になります。
前回のブログでもお話ししましたが、どうしてその怪我をしたのかが、わからなければ同じことの繰り返しになってしまいますからね。
まずは、私たち専門家に相談してください。