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ストレスが原因?心因性腰痛とその解消法

ストレスと腰痛の関係

ストレスと腰痛の関係

腰痛は、日本人のおよそ80%の人が一度は経験すると言われ、日本人の4人に1人が悩んでいるとも言われています。

日々の生活に支障を来してしまうことさえある腰痛の原因の一つに、ストレスがある事をご存知でしょうか。
ストレスと腰痛の関係、その解消法について見ていきましょう。

 

ストレスによって腰痛を感じるメカニズム

私たちの体は神経で繋がっています。そのうち、食べ物の消化・吸収などの内臓の活動や呼吸など、無意識の活動を司っているのが自律神経です。自律神経には交感神経と副交感神経があり、緊張している時は交感神経が、リラックスしている時は副交感神経が優位になっています。

通常は、交感神経と副交感神経の2つのバランスが取れていて、体が健康な状態に保たれているのですが、このバランスが崩れると、血行が悪くなったり、筋肉が長時間緊張したりする状態になります。
これによって、腰痛が起こるとされているのです。

また、ストレスを感じている時は、神経は緊張状態になっていますから、交感神経が優位になっています。そして、その状態の時は痛みに敏感になると言われているのです。リラックスしている時ならそれほど気にならない痛みでも、緊張状態だと激しい痛みとして感じてしまう、という事なのです。

さらに、人は痛みを感じると、それを緩和させるドーパミンという物質が脳から分泌されます。しかし、ストレスを感じ、交感神経が優位になっている状態では、このドーパミンが分泌されにくくなってしまうのです。
そのため、さらに腰痛をひどく感じてしまうことになります。

こういった、ストレスなどの心理的要因を原因とする腰痛を「心因性腰痛」と言います。

心因性腰痛とは

心因性腰痛の症状

心因性腰痛とは

心因性腰痛も肉体的な腰痛も、もちろん腰が痛むのは同じなのですが、心因性腰痛の症状の特徴として、1ヶ月以上続いたり、治ったと思ってもしばらくするとまた痛みがぶり返したりする場合が多い、という事が挙げられます。肉体的な腰痛であれば、その原因を改善することで痛みも和らぐのですが、心因性腰痛の場合はそのストレスの元がなくならなくては改善しないのです。

 

また、肉体的な腰痛の場合は、姿勢や体勢によって痛みが強くなったり弱くなったりするのですが、心因性腰痛の場合はそのような変化がなく、姿勢を変えたり安静にしたりしても痛みは継続します。さらに、肉体的な腰痛は腰を酷使して疲労が蓄積すると痛みが強くなるので、夕方頃に痛みが大きくなることが多いのですが、鬱を原因とするような心因性腰痛は午前中に症状が出やすいのもその特徴です。

また、心因性の腰痛の場合は、食欲がなかったり、痛み以外の原因で眠れなかったり、何となく疲れたりといった症状が現れることもあります。

心因性腰痛の特徴

体に不調がある時は、その原因を突き止め、それを改善することが不調を治す近道となります。腰痛についても同じことが言えますが、その腰痛が心因性のものなのか、肉体的要因によるものなのかによって、対処の仕方も変わってきます。ここでは心因性腰痛の特徴を説明しましょう。

心因性腰痛の特徴は、はっきり原因が分からないという事が挙げられます。
身体的な腰痛の場合は、レントゲンやMRI検査などを行うことで異常を見つける事が出来るのですが、心因性腰痛の場合はそのような検査を行ってもほとんど異常が見られません。ただ、これは本当に原因がないという訳ではなく、腰や関節のどこかに原因があると推定は出来ても、それがどこかを厳密に断定できない、という事です。本来ならそんなに強く感じない痛みが、ストレスによって増幅されるためにこのような状態になると考えられます。こういった腰痛は非特異的腰痛と呼ばれ、腰痛症と言う病名で呼ばれています。

また、心因性腰痛は鬱状態やヒステリーなども原因になりますが、その場合は痛みが慢性的に続いたり、痛む場所が移動したりする事もあります。

さらに、心因性腰痛の大きな特徴として、気持ちがリラックスしている時や楽しい事をしている時は痛みを感じにくく、不安を抱えていたりイライラしたりしている時には痛みを強く感じやすいという事があります。
悩みが深くなると痛みが増す時などは、心因性の腰痛だと思った方がいいでしょう。

ここで自身で判断されるのは非常に危険です。
おかしいなと思ったら、医療機関での検査を受けることが一番です。
心因性腰痛と似た状態で内科疾患からの腰痛症になっているケースもあり得ます!

心因性腰痛の解消法

ストレスの原因究明

心因性腰痛の解消法

心因性腰痛の根本的な原因は、心理的な問題です。
先に挙げたような症状・特徴がある場合は、何が原因でストレスを感じているのかを理解しましょう。

目に分からず、また、自分では感じていないストレスもあり得ます。

特に男性は「我慢して溜め込む」事が多いようです。
ストレス発散は人により違います。趣味に没頭するもよし、どこかへ行くのも良し。
近年は「泣く事」で大変ストレスが発散され、脳がスッキリするとも言われております。

泣けるような映画などの鑑賞はいかがでしょう?

女性は月に一度「生理」があります。
もちろん生理痛の腰痛もありますが、デトックスとしては
男性より出来ております。

ストレス解消

原因が理解出来たら、それを解消するように心がけましょう。仕事がストレスの原因の場合は可能な限り休暇を取る、人間関係が原因の場合は、その人の見方を変えてみたり、周りの人に相談したりするなどして、ストレスの原因を取り除く事を考えます。
また、軽いストレッチやウォーキングなどの運動もストレス解消には効果的です。ただし、肉体的な原因と併発している場合もあるので、自己判断で無理な運動はせず、専門家の指導の元で行う様にしましょう。

そういった時は、家族や友人のサポートが大切になってきます。そういう事を相談できる人間関係を築いておくことが、心因性の病気の予防・改善には大切なのです。あるいは、ストレス解消のために趣味やスポーツなどを楽しむのもいいでしょう。

認知行動療法

心因性腰痛の治療として、認知行動療法が取り入れられる場合もあります。これは、困難に直面した時にその人が本来持っている心の力を取り戻し、強化することで不調を治していく事を目的とした精神療法のことを言います。治療によってものの見方や受け止め方を変え、精神的なストレスにうまく対処する方法を学んでいくことで、心因性腰痛の改善につなげるのです。

筋力トレーニング

心因性の腰痛といっても、それは痛みを増幅させるもので、その原因として肉体的なものも影響している事は同じです。腰を支える筋肉が十分に機能していない事が原因で腰にトラブルが生じ、それが心因的な理由で増幅されるのが心因性腰痛です。

ですから、専門家の指導の下で筋力トレーニングを行う場合もあります。当院では「身体を正しく使えるようにして治す!」がメインですので、効果は大いに期待出来ます。つまり、元々の腰痛の原因を和らげることは、心因性腰痛にも効果を発揮するわけです。体を動かすことはストレス解消にも役立ちますから、そういった面でも心因性腰痛に良い影響を及ぼすことが大きく考えられます。

まとめ

ストレス解消

心因性腰痛の原因の多くはストレスにあります。
普段からストレスを溜めないように心がける事で、それを予防することが出来るのです。ストレスの根本的な原因の解決が難しくても、ストレスを発散できる趣味を見つけて没頭したり、リラックス効果の高いアロマテラピーを生活に取り入れたり、あるいは気の合う友人と遊ぶ機会を設けたりしてストレスを解消するようにしましょう。体だけでなく心にも休息が必要なのです。